1.

 目を覚ましたときいつもの独房ではないとネオむぎ茶は錯覚した。
もちろん、その場所ははいつもの刑務所のホールであったのだけれど、何かがおかしかった。何かが違っている。 すぐに、ネオむぎ茶はその原因に気づいた。ホールの屋根の気配で既に夜であることがわかった。

さっきまでカツ丼を食っていたいたはずなのに・・・

ネオむぎ茶は、辺りをそろそろと見回した。同じ犯罪者が、先ほどまでのネオむぎ茶と同じように床に伏して眠っている。 そのなかには、酒鬼薔薇聖斗、麻原彰晃、宅間守もいる。 俺はいったいどうしたんだろう? ネオむぎ茶がそう思ったとき、扉から一人の中年が現れた。

「どーも小泉純一郎です」

みな、なにが起こったのかわからないという顔で焦点の定まらない目つきをしている。

なぜ小泉首相が?これはいったい?

そして小泉首相がスピーカーで叫んだ。そして小泉首相の発言に皆完全に目をさまし戸惑った。

「今日はバトルロワイヤルを開催したいと思います。  つまり今日は、みなさんにちょっと、殺し合いをしてもらいます!」

小泉は更に続けた。
「優勝者は、特別釈放にします。死刑を宣告された方も優勝すれば自由です」

小泉が簡潔なルール説明を終えた時、佐藤宣行は叫んだ。

「首相!いい加減冗談は止めて下さい!」

「何故、今更そんな質問を。真紀子君、あれを」

小泉はいつの間にか隣にいた田中真紀子に命令すると真紀子は黒い袋を開けた。

「うわあああ!!!」

真っ先に宮崎勤は叫んだ。その袋には血塗れの森前首相が入っていた。

「そんなばかな」

椅子をがたんと鳴らして誰かが立ち上がった。萩原克彦だった。

「ぼ、ぼぼぼ僕の父は警部補なんだ。僕がプログラムにえっ、選ばれるわけなんかーー」

小泉は言い返した。

「何を言う!!!お前だけが特別だけなんて勘違いを・・・・・・するんじゃない!!!」

いきなり一喝されて萩原はぺたんと腰を降ろした。

「さあ、ようやく事態が分かったみたいなのでゲームスタートです。 まずは一番の宮野祐史君。」

ネオむぎ茶は考えていた、どうすればこのクソゲームから脱出し少年の国を作れるか。 犯罪者といえどみんな本気で殺し合おうなんて考えてはいないはずだ、なんとか集まることができれば・・・

やがて、ネオむぎ茶の名前が告げられた

「ネオむぎ茶君、次はきみですよ。」

真紀子からバックをもらう。中の武器を使って急襲しようかと思ったがそれは無駄なことだとすぐにわかった。自分に支給された武器は牛刀、部屋の外には兵士たちがライフルを持って立っていた。
考えて見れば当然のことだ。我々凶悪犯を二人で抑えることなんてできるわけがない。ともかく早く出よう。

 スカイゲートからでてみると夜の佐渡島が見えた、電気が消えていて不気味な雰囲気が漂っている、そこには誰もいなかった、尊敬する酒鬼薔薇聖斗まで消えていた事にネオむぎ茶は深い憤りを受けたがそれもすぐに打ち消された、何かが横たわっている。
近づいてみるとそれが佐藤宣行だとわかった。後頭部に20センチほどの銀色に光る棒がはえていた。

いったいなんなんだ、誰かがやったのか、それともこれは一種のサクラなのか、――周りがやる気になっていると見せかけるための、ともかく生きているかどうか少し様子を・・・

ヒュンと音を立ててネオむぎ茶の眼目を何かが掠めた、ネオむぎ茶はぐっと口を引き締めるととっさにその矢をとって横へ飛びのいた。

「あれは湊・・・」

振り向きざまに投げた、こんな動きができたのもバスジャックをやっていたからだろう。
当たった。相手は「うっ」とうめくととそのまま落ちてきた。
近づいてみる、やはり湊伸治だ、その手にはボウガンがにぎられていた。ネオむぎ茶は蒼然とした、戦いはもう始まっているのだ、こんなとこにいたらまた襲われかねない、ともかく身を隠さなくては、ネオむぎ茶は暗い佐渡島を走っていた。



 高橋克也は部屋で麻原に教えられた場所へ向かっていた。

 ――――高橋はオウム真理教の1人で彼の忠実な下僕だった。彼は、麻原に命令されてサリンをまいたりしていた。

―――岬についた。麻原はどこにいるだろうか、探してみる。見晴らしのよさそうな岩に登ると海が見えた、暗闇の中にいくつかの島が見て取れた、前に一歩踏み出そうとした時、突然後ろから声をかけられた。

「高橋」

反射的に銃をかまえた、がすぐにそれを下ろした。茂みからは麻原が姿をあらわした。

「尊師、いたんですか」

高橋は安堵の声を漏らした、しかしそれと同時に麻原の下に三つの塊が転がってるのに気付いた。それは・・・・自分と同じオウム信者の中川智正、野田成人、青山吉伸の死体だった。それと上祐の姿が見えない。

「ど、どうしたんですか?尊師、これは・・・・」

麻原はしばらく黙っていたがやがてしゃべり始めた。

「なあ、高橋、私は正直いってどうでも良い」

「ど、どうでもいいって・・・」

「私はここに来た。それでコインを投げた・・・・表が出たら小泉と戦う。そして・・・」

話が終わらないうちに高橋は銃の引き金に力をこめた、しかし、その時には麻原が弾を放ち終わっていた、ぱららっ、と小気味よい音がしたその瞬間、高橋は絶命していた。

「裏が出たら、ゲームに乗ると・・・」

流れたばかりの血の臭いと潮風がまじった、打ち寄せる波の音が、続いていた。

薄れて逝く意識の中オレは思ったんだっ
何故、麻原麻彰のような腹黒い男が・・・・・
オレのような口先だけの男を入信させたのかっ!?・・・・・
もしかしたらその時も尊師は・・・・・
どちらでもよくてパーコー麺でも喰いながら決めたんじゃねえかって・・・・
尊師の今の体型だって・・・・・
もしかしたら尊師はもっと運動するのがただ・・・・
めんどうなだけだったんじゃねぇかって・・・・
尊師の心の中には・・・・
空虚な闇がただ・・・・・・
広がってるんじゃねぇかって・・・・
-------そう思ったんだ

-------ハッ!!
そりゃそうだよな
-------だってオレは尊師のよっ・・・・・
修行ってヤツを一度だって見たことなかったもんな

 

バトルロワイアル in 犯罪者
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