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既に周りは真っ暗だったが、月齢ほぼ15に満ちた月のお陰で、北の山のすそから海が遙かに見渡せた。
既に、必要なものは手に入れていた。 硫酸は、どっかの民家にあった乗用車のバッテリーを熱して取ることができた。それからの作業も、非常に危険な作業であったが、何とか成功した。そして、目前にある小さな冷えた塊、爆弾、ダイナマイト。これを滑車とロープを使い分校にぶつけ、小泉達を殺る。新宿ボンバーはもの凄い快感と興奮を覚えた。あの、レンタルビデオ屋を爆破した時の快感と興奮、あの、壮絶な爆音。それをもう一度味わえる。いや、その時の数倍だ。この気持ち、ネオコーンスープや他の奴等には分からないだろう。 ある意味、小泉には感謝している。このゲームに参加したお陰で、この行動を出来た。俺は新宿ボンバー、今日、ダイナマイトを使い、日本の指導者、小泉純一郎を謀殺しバトルロワイルから脱出する。見てろよ2ちゃんねるの厨房共、俺はネオむぎや、ラットキラー以上の英雄になる。 「準備が出来たよ」 ネオコーンスープの声が聞こえた。準備は万端。自分の心臓の、激しいうねりが聞こえる。―― 今こそ、決行の時。 「おし、じゃあやるぞ。覚悟は良いか?死ぬかもしれないぞ」「ああ、そんなの石灰撒くのを決行した時点で出来てるさ」 新宿ボンバーがダイナマイトを発動させようとしたその時だった。畑の中から人の頭がのぞいていた。「ネオコーンスープーーー」 新宿ボンバーはいいざま、ネオコーンスープの腕を掴み、猟銃をその人の影に向かって向けていた。「う、撃つな!!!俺だよ!!!ラットキラーだよ!!」 それで、新宿ボンバーはそれがラットキラーだということに気付いた。ラットキラーはネオコーンスープとは二番煎じ同士、非常に仲が良かった。 しかし、新宿ボンバーが感じたのは仲間が増えたたという安堵感ではなくまずい、という気持ちだった。ここまで来て、仲間が増えるということを考えていなかったからだ。 「おい、新宿ボンバー、どうしたんだよ」ネオコーンスープが銃口が下がっていないのに気付き、前に出ようとしたが新宿ボンバーが制した。 「ネオコーンスープ、動くな」
「おい」 新宿ボンバーは、ラットキラーが信用出来ないのであった。 「なんでだよ・・・・」ネオコーンスープが泣きそうな声で言った。 「ラットキラー・・お前は信用出来ない」 新宿ボンバー、ネオコーンスープがラットキラーと知り合ってから6日しか経っていなかった。新宿ボンバーとネオコーンスープは1年以上の付き合いで非常に信頼出来たがラットキラーとは日が浅い。そもそも、こいつはネオむぎ茶を尊敬してやったのか?犯罪者として有名になるには誰を真似ても良かっただけではないのか?2ちゃんねるのウケが良いと思っていただけなのだろうか? しかし、今こいつに直接言っても意味が無いだろう。今まで、6日付き合っただけでは良い奴に見えたが、こいつの本性は分からない。俺も、刑務所ではこいつが完全に信頼出来るまで「それなりの友人」として付き合うつもりだった。1ヶ月も付き合えば、もしかしたら本当はただのドキュンという本性が出ていたかもしれない。髪型もドキュソっぽい。 とにかく俺は、今こいつと絶交する必要がある。 しかし、ラットキラーは呪われたように歩いてくる。「俺たち・・・仲間じゃないか」 ラットキラーは包丁を投げ捨てた。そう、あの老人を人質に取った包丁だ。「敵意なんか無いんだよ、これで分かっただろ」 「駄目だ。来ないでくれ」「新宿ボンバ――」 それでも、ラットキラーは近くに来ている。新宿ボンバーは少し気持ちが変わった。 (もしこいつが本当にこいつがやる気が無いのなら、俺はなんて酷いことをしているんだろう。疑り深すぎるのか?一緒にやるべきか) しかし、その考えを振り払った。今、俺は一人じゃない。ネオコーンスープを危険に晒すわけにはいかない。
これも爆弾作りでネットで学んだ。
新宿ボンバーはラットキラーの足下に向かって発砲した。 ぱん、という乾いた撃発音と共に、猟銃から弾き出された薬莢が月明かりに蒼白い軌跡を描き、ラットキラーの足元で土ぼこりがわっと上がった。 「仲間にしてくれ、頼む」 ラットキラーが、もはやざんまい式の人形のように、足を踏み出した。確実に狙えるか?正確に。あんな警官の下手な蹴りとは違うぞ。一発で致命傷だ。 もはや猶予はなかった。
新宿ボンバーは、もう一度引き金を引いた。 ネオコーンスープが叫び、ラットキラーに駆け寄った。ネオコーンスープの顔が表情が抜け落ちていた。 「死んでる―――――」新宿ボンバーは暫く動けなかった。自分が何も考えていないような気がしたが、そうではなかった。ざまあみろ、という声が頭の中で響いていた。 ざまあみろ、ラットキラー。狙った建物は外さない。必ず爆破する。それが新宿ボンバー、本名不明だ。
初めて人を殺したが、当然の判断だ。爆破の為の障害物を破壊しただけだ。
「いや、隠し持っていたかもしれない。これは正当防衛だ」 ネオコーンスープはラットキラーの懐を調べてデイパックを新宿ボンバーに見せた。「何も無いだろゴルァ!!!」 新宿ボンバーは、脱力感に襲われた。ラットキラーはやる気では無かったのだ。だが・・・俺は間違っていない。時間が無い。「・・・仕方なかったんだよ。あの状況なら、撃っても仕方がない。殺られるかと思ったんだ」 ネオコーンスープは納得したようだった。「ごめん。俺、一瞬新宿ボンバーを疑ったよ。許してくれ」 今度こそ、準備万端、新宿ボンバーはラットキラーの死体にデイパックの食料を盗ろうと歩み寄った。と、その時だった――――― |
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