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PM16:30
夕刻、1台の高速バスが走る―。 谷口誠一(西鉄バスジャック犯 『2ちゃんねる』でのハンドルネーム“ネオ麦茶”)と小野愛は最後部座席に身を落ち着かせている。車内の座席はそれぞれ独立型だったが、誠一と愛の手は座席間の通路をまたいで、しっかりと握られていた。周囲の乗客は本を読むなり、携帯のメールを操るなり、持参した菓子や飲料を口に含み、つかの間の旅をそれぞれ楽しんでいた。中にはヘッドフォンで、車内に備えつけられたテレビの音声に耳を傾ける者も数人いるようだった。誰一人として自分達のことに気付いている様子はない。
途中、パトカーのサイレンがけたたましく鳴り、数台の警察車輌が高速バスの横に位置する。誠一は咄嗟に視線を窓の外へ向け、つないだ愛の手をさっと放すとベルトに差し込んだベレッタに右手をやる。愛の表情にも緊張が走った―。 愛が誠一とつないだ、その手をギュッと握り、はっきり言った。 「もちろんよ」
乗っ取った首相専用船を降りてから、2人はカージャックしながら逃走資金を獲得。
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