cubeな住宅
空間構成の方法は、小さな空間を繋いで構成する方法と、大きな空間を分割して構成する方法の2種類があると思う。この二つの方法は、単にデザインの方法ではなく、空間を構成する建築構造と密接に関係している。
組石造から発展してきた西洋の建築は、基本的に壁がないと成り立たない構造形式で必然的に空間は構造的に分割されて作られる。これに反して、和風の軸組み工法は、柱と梁で構成され壁は基本的には必要がないため、大きな空間を必要な大きさに襖や障子で仕切っていく作り方を行う。もちろんすべてがそうではないが大きな傾向としてこの違いがあると思う。
コルビジュエのドミノシステム(スラブ、柱、階段のみが建築の主要要素だとするシステム)は、新しい構造形式として画期的だが、その意味はRCによる組積造からの脱皮でありるが、日本建築では当たり前の空間だった。
組石造は壁自体が構造体であるため開口を作るのが難しい。逆に、和風の軸組みは非常に開放的な空間になりやすい。ないものねだりの結果、西洋建築は光を欲し、和風は闇を欲する様になる。したがって、西洋では光をデザインしたがり、和風では闇をデザインしたがることになる。光のデザインとは、壮大なゴシック建築の中に光を取り入れるステンドグラスであり、闇のデザインとは、谷崎潤一郎の随筆 陰翳礼讃に記述がある日本の心象風景ということになる。
cubeを単位空間として壁構造で部屋ごとに立体が独立した平屋の住居を考えてみた。
上空からの絵。原っぱの真ん中に建っておりこの建物に降り注ぐ光をさえぎるものは何もない。
外部に向かってはあまり開口部を設けず、中庭(パティオ)から採光をとる構成にし、影を作り出せる空間とした。
中庭はオレンジの木が一本生えている。仕上げは素材のまま打ち放し。
パティオからの光は眩しいが、インテリアは影のある空間になる。灼熱の真夏の太陽をさえぎるインテリアがシェルターとして機能する。
第2計画は重層化した。設定は寒冷地であり、熱損失を抑えるため外壁面積がすくなくする必要からである。形態に変化を持たせるため、居間は吹き抜けとし勾配屋根を設けている。寒冷地しかも葉が落ちた落葉樹の林に中にある。
1階平面
2階平面
外観
夕景
居間
ダイニング
第3計画は大きな空間を仕切って使うタイプ。
開放的な外観とすることでインテリアに光が満ち溢れているが、逆に影がほしくなる。ここまで来るとシェルターとしての機能は果たせない。(水上の住宅)