二重螺旋と聞いて最初に思い出すのはDNA。人間の遺伝子情報を記録した核酸だがその構造は一見しただけでは理解できないくらい複雑に絡み合っている。
しかし、構造を単純化してみるとわかるが、二重螺旋といわれる所以はひとつの螺旋ともう一方が接することなく同じ方向に螺旋を描いていていることだ。そこに種がその種となることができる遺伝情報が詰め込まれている。
博物館を二重螺旋構造にすることは、人類のDNAとして歴史を保存し未来に価値ある情報を伝達する機能を持つ博物館にとって象徴的であると思う。
今回の計画は絵を水平な床の上で鑑賞できるようにcubeをスキップフロア状に配置し、スキップフロアを二重らせんにすることで鑑賞動線が交差しないように計画した。
最下階の1ブロックをエントランスとしているが、その前にガラスの回廊を回し展示室からの帰りの動線と分離している。
エントランスホールイメージ
展示室イメージ
フロアを結ぶスロープは中心のアトリウムに設置され1フロアを見終わった後で長いスロープを歩くことでの気分転換できるようになっている。
またアトリウムは自然光が入るようにトップライトとカーテンウォールで外皮が構成されている。





1層は18m×18mの正方形平面で天井高さは3m。フロア中央に円形の柱を持ったラーメン構造で、床は正方形に配置されたグリッド梁で構成されていて、天井は無くグリッド梁を見せるデザインとしている。
実際に計画する場合は、4つのブロックの構造がガラスのカーテンウォールとスロープでつながれた構造となるので、地震のゆれに対するカーテンウォールの追従性が難問となるだろう。
二重らせん構造の建物は存在する。会津さざえ堂などがそれに当たる。スロープを二重に配置し上がりと下りがそれぞれ別のスロープを使う構造の木造建築。どこか迷宮にも通じる構造になっている。
さざえ堂は昇ることを目的とした塔なので平坦なところは頂上部分だけで他は全て急勾配のスロープで構成されている。
スロープで絵を鑑賞する美術館はフランクロイドライトのグッゲンハイム美術館が有名だ。中央に大きなトップライトを持つ吹き抜けの中のスロープを下りながら絵を鑑賞する方法を取っている。この美術館には行ったことがあるが、緩やかなスロープではあるが水平でない床の上で絵を鑑賞するのは少し違和感を感じた。
計画地の想定は郊外の林の中で周りの木をできるだけ残した配置としている。